推薦
蛤谷空齋さんの作風は非常に繊細である。だからややもすると技巧に奔るきらいがあった。「あった」と過去形というのは、ここ数年来、様子が変わってきたからである。飄々乎として仙人めいた風貌に磨きがかかると共に、その作品にもザングリとした趣きが出てきた。むかしの唐物写しの作品にはいかにも本歌と研を競うところがみえたが、今はない。先日拝見した唐物写し手付花篭は見るからに和ものの味が見え、庶民的な魅力が素晴らししかった。これからの茶の湯には、このいき方がよいと思う。
空齋さんから頂戴した竹編茶碗を毎夏十年余にわたって使っているが、少しも損ずるところがなく、ますます落ち着いた味が出てきている。
今回の竹芸作品展は第九回目になるという。お馴染のファンも増えてきているようだが、なるべく多勢の方に見て頂きたいと存ずる。
数江 瓢鮎子
