幅14~28mm程の竹を四つ目編みで仕上げた作品である。幅の広い竹では中央部分の「かわ」をそぎ落とす事により安定した状態となっている。盛り花としての用途は言うまでも無いが、果物等の盛り合わせにも使用できる。
晒し竹を使用し、鶴の首のように細長く編み上げた作品。底は1.5mm幅の竹を2本取りの四つ目編み、立ち上がりから捻り編み、笊目編みを交互にいれ編み進め、首部分から笊目編みで細く編み上げる。口造りは竹を編み地に差し込みその先を3.5cm程伸ばし切り揃えている。底には8mm程の力竹を入れ安定と強度的役割としている。
煤竹の濃淡を取り入れながら編み上げた作品である。1.5~2.5mm幅の煤竹を用い、底は2本とばしの四つ目編み、立ち上がりにねじり編みを入れ、胴をしぼりながら編み上げる。口造りは半分に割った根曲がり竹で、内と外から編み地を挟み皮籐で細かく巻きながら留めている。手は幅5mm程の煤竹2本、下部を編み地に差し込み中央を纏め皮籐で飾り結びを施している。底に1cm幅の高台、四隅に竹をあてがい皮籐で飾り結びを施し、強度的役割と装飾を兼ね備えている。
煤竹特有の縄目模様による濃淡を組み合わせながら、幅4~8mm程の竹でざっくりと編みあげた作品である。「かわ」と「み」の部分を2枚重ね、底は六つ目編み、立ち上がりから丸みを持たせ編み進め、口造りでは輪孤編みのように竹を編み地に差し込み仕上げている。
口造りなどすべて根曲がり竹を使用した掛花籠である。麻の葉編み、六つ目編み、菱四つ目編みと編み進め所々に石畳編みを入れ、胴の辺りを絞りアクセントを付けている。籠全体を染料で染め、漆を施す事により煤竹に似た風合いを醸し出している。
晒し竹を使用し、やたら編みで仕上げた作品である。竹の表面のかわとみの部分を2枚重ね合わせ六つ目網みを基本に変化をつけながら編み進める。2枚重ねることによりしなやかなカーブを作ることが出来る。やたら編みは規則的な模様を作らないのが特徴と言われている。
磨きの竹を使用した網代編み、内側には黒漆が何層にも施された作品である。底部分を枡網代編みで編み、その後それぞれの立ち上がり部分を四方へ編み進め中頃から変化をつけた編み方となる。縁は幅8mm程の煤竹で外側と内側とで編み地を挟み籐皮で細かく巻きながら飾りを施し留めている。手は5mm程の煤竹2本を中央で纏め側面の編み地に差し込み皮籐で留めている。底には煤竹の高台が付けられている。
煤竹 置花籠 [55-028]と同種の大振りな作品。幅10mmの煤竹を使用し、底の麻の葉編みから編み始め、立ち上がりより菱四つ目編みで編み上げた花籠である。口造りは半分に割った根曲がり竹で、内と外から編み地を挟み皮籐で巻きながら留めている。また根曲がり竹で付けた飾り手が全体のアクセントとなっている。展示会などの盛り花に適している。
磨きの竹を使用した煎茶用の炭斗で、手付炭斗 [51-002]と同種の作品である。全体を黒茶色に染め拭き漆を施し、内側には棕櫚毛(しゅろげ)を敷きその上に和紙が貼られている。底は鉄線編み、立ち上がりは4本をまとめながら波のような編み方である。側面は網代編み、口造りは内側と外側に竹の枠を付けて挟み込み皮籐で細かく巻きながら飾りを施し留めている。飾り手にも皮籐による飾り結びが施されている。
煤竹 手付置花籠 [55-028]と同種の花籠で、極シンプルな編み方、形の作品である。底の麻の葉編みから編み始め、立ち上がりからは菱四つ目編みである。口造りは半分に割った根曲がり竹で、内と外から編み地を挟み皮籐で細かく巻きながら留めている。手は幅1cm程の煤竹を用い、所々に皮籐で飾り結びを施している。
濃淡のある煤竹を使用し、鼓をデザインした作品である。鉄線編みの底に2.5mm幅の竹を縦に規則的に並べ結合させた造りである。形は胴を絞り縦の竹を皮籐で細かく巻き鼓を模している。口造りは編み地を幅10mm程の煤竹で外と内側から挟み、皮籐で細かく巻き止めている。
細い磨きの竹(竹の表面の皮を薄く削り取った竹)を使用し、全体を金茶色に染め拭き漆を施した繊細な作品である。底は幅1mmの竹を4本取り、麻の葉編みで楕円形に編んでいる。立ち上がりからは1本取り4本すくいの菱四つ目編みで中頃まで進み、次に2本取り2本すくい、2本取り3本すくいで口造りまで編む。口造りは根曲がり竹で細かく巻き留め、終わり部分を正面の飾りとして差し込んでいる。
久田宗全好みよりも手の長さが低い宗全籠である。煤竹 宗全籠 [55-007]と同種同型の作品である。底が長四角で、口造りは丸く、手は二本の煤竹を付け、籐の蔓で結びながら巻くように留めている。底と四方に細い竹を当てて藤蔓で粗く結ぶ事により強度的役割と装飾を兼ね備えている。
一本の竹から二重に籠を重ねた斬新なデザイン。繊細かつ高度な技術から生まれた作品である。直径約5cmの煤竹を18等分し、更にそれぞれを4当分した竹をかわ(表面)とみ(内側)に分ける。みの部分で内側を編み、その周りを覆うようにかわの部分で外側を編み上げる。表面には煤の竹籤をカーブを付け編み進め動きのある飾りとなっている。口造りは、編み地を幅8mm程の根曲がり竹煤で外と内側から挟み、皮籐で細かく飾りを付けながら巻き留めている。花を生ける時は掛けた方が安定は良いが、置籠として部屋に飾るのもお薦めである。
煤竹を半分に割り、底になる部分を薄く削ってから半分に折り曲げ、根曲がり竹で巻き結んでいる。正面から後方へは金箔を施している。煤竹の濃淡を雲に見立てると昇竜のイメージを彷彿とさせる。煤竹 蝉籠 [61-005]と同種同型の少し小振りな作品。
少し細めの煤竹を使用し、窓を長く切り、内側に朱漆を施した花入れである。鶴首竹花入 [66-003]と同種同型の作品。
3mmの煤竹を放射線状に組みながら編み上げる輪口編み(輪弧編み)を二重に重ね、中央の輪が底である。全体の三分の二位の所で上から竹を差し込みながら飾り模様とし、幅10mm程の竹を巻き皮籐で巻止めている。口造りは幅の細い竹と竹籤を皮籐で細かく巻止めている。底は高台を付け十字に力竹をいれ、強度としての役割も兼ね備えている。モダンな雰囲気が感じられ、部屋の飾りとして使用しても良い作品である。
松傘と松葉の彫刻をあしらった香合で、肉厚の煤竹を使用している。松傘の周りを削り松葉をあしらい立体感を出した香合である。松葉には金粉を、また内側には黒漆に金箔を施している。
和装本をイメージした香合で、肉厚の煤竹を使用している。彫刻により、全体を和装本として表現した香合である。内側には拭き漆と銀箔が施されている。
根曲がり竹を使用し砧の形をアレンジして作られた作品で、煤竹 砧置花籠 [55-017]と同種の花籠である。底部分は約9cm四方、全体を菱四つ目編み、所々に石畳編みを入れ、口造りなどすべて根曲竹を使用した掛花籠である。